本当の自分に巡り会えるその日来るまで

全能なる神の見た悪夢の欠片が泡となって現世に浮かび上がるとき、想像を絶する奇怪な現象が童話の形を借りて顕現する……!


現代ファンタジーと言いつつその実態はホラーだった『Missing』の甲田学人氏の手になる新シリーズ『断章のグリムⅠ 〜灰かぶり〜』を読んでみましたのですよ。後書きで作者の方は「この話は、メルヘンです」などと仰っていますが(;0w0)ウゾダドンドコドーン!! どう見てもホラーです。本当に(r


とはいえ前作Missingに比べるとキャラや状況に対する取り組み等がより積極的で目的も明確になっており、だいぶ取っつきやすい印象です。TRPG的に言うとダブルクロスでホラー分大増量のステージセッティング。対抗手段があるというのは読んでいて安心です。たとえそれが、怪異に対してかつて自分を巻き込んだ怪異を再現してぶつけるという何とも痛々しい方法であったとしても。


甲田学人氏といえば凄惨なホラー描写ですが、今作でもその筆致は冴えに冴え渡ってらっしゃいます。作中で発生した怪異を脳内で映像化してみたところ、たちどころに気分が悪くなってしまいましたのですよw くるっくー。ほろっほー。