求めるものは「平和な世界」

『烙印よ、想いを蝕め。―SCAR/EDGE〈3〉』を読みましたのですよ。


本作品は「魂」の存在が観測・確認され、究極の個人認証として利用されるようになった近未来社会が舞台なのですが、その「魂」を扱う『魂成学』の基礎を築いた『名もなき七人』がぞろぞろと本編に登場するあたり、ネタを出し惜しみしない感じで非常に好感がもてました。
今回は作者自ら起承転結の転というだけあって、いろいろと話が動いた感じ。今まで微妙に影の薄かったヒロインが今回ようやく作中の重要なポジションに。いや、良かったのか悪かったのか。


イラストの方も表紙のちひろたん、P31の雪の中に佇むキズナなど、非常に良い雰囲気です。P305のイラストなどは第一巻カライラの夜叉戦の構図が踏襲されてたりして、このシーンの本文の仕掛けと併せて大盛り上がりですわ。植田亮氏は本当に良い仕事をしてくださいますなぁ。