旅はする前が一番楽しく、犬は鳴き声だけが一番怖く、女は後ろ姿が一番美しいものでありんす
今月発売された電撃小説大賞銀賞受賞作の『狼と香辛料』を読んでみましたのですよ。
中世〜近世くらいのヨーロッパっぽい世界を舞台に若き行商人の主人公が、とある田舎の村で麦の豊穣の神として奉られていたが今は忘れ去られようとしていた老狼と組んで、ふとしたことから知った儲け話に首を突っ込んでいくっつー物語です。
- 作者: 支倉凍砂,文倉十
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/02
- メディア: 文庫
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耳と尻尾、郭言葉な喋り口調といった外面的な要素もさることながら、時に老獪な賢人、時に寂しがり屋な童女のように振る舞う心の持ちようがなんとも魅力的でして。ぶっちゃけこの作品の8割はホロで出来ていると言っても過言ではない。
主人公が至極まっとうな行商人ということで普段私が持て囃しているバイオレンス分は控えめで、社会戦に重きの置かれた作品となっております。主人公も女の扱いは苦手ですが生業としている分野に関しては若いながら非常に有能で、人間的にもイタいところは無く、安心して読めましたのですよ。