犬耳+メイド+ツンデレ=破壊力

八月に申し込んだ電撃hPaが届きましたのですよ。電撃文庫の作家が多数参加したセルフパロディ企画本第三弾です。基本的に通販のみですが、キャラクターショウなどでメディアワークスが参加していると、そこで販売している可能性もあるかもです。

●いぬみみメイド かなたタン

「……メイドって異世界のものだっけ?」
「だって二次元でしか見ないじゃない。喫茶とかイベントとか除くと」


というわけでタイトルがすべてを表している『シャドウテイカー』のパロディですが、シャドウテイカー好きの私にはクリティカルヒット気味でした。3〜5行毎に笑いどころが襲いかかってきまして、呼吸が困難に。本編で恐ろしいまでの悪辣さを見せたくろのかなたがなんだか大変なことになっていまして。本編の態度を踏襲しながら思いっきり尻尾振ってるし。いやでもくろのかなたは本編でも結構ドジっ子というか詰めの甘さを見せていたような気がしてきた。
かなた好きの人にはもちろん、みちる好きや茜好きの方にも優しい内容となっております。なんつーか三上氏の旺盛なサービス精神を感じましたのですよ。純珪一氏のイラストもとても良かった。
そして後書き座談会……なんか三上氏と編集の立場が、前回の『紫の尻の女』のときと入れ替わっているような気が。

●空ノ鐘の響く放課後
ちょっとSFな正統派ファンタジー戦記『空ノ鐘の響く惑星で』のパロディです。タイトルの通り学園物です。がなぜかシチュエーションが変わっているのにキャラ間の呼称が変わらない奴らがいまして、なんとも珍妙な感覚になっている!
地の文は渡瀬先生が自サイトで書いている日記の文体をさらに壊したような感じでした。普段の文体が割と手堅い印象なだけにハジケっぷりが面白かった。

電撃文庫キャラクターTRPGリプレイ 御茶ノ水だよ! 全員集合!
電撃文庫の人気作品の作家が、自作の主人公を担当するというオモシロリプレイ。
背景世界も雰囲気も能力も大違いのメンバーをいかにプレイヤーキャラクターとして成立させるのかと気になっていたのですが、答は『トーキョーN◎VA the 2ndEdition』のクルードを使用するという物。なるほど、これなら数値にとらわれずキャラクターを表現できるというわけですな。
RLは『Missing』の甲田学人氏ということで、シナリオはホラーなわけですよ。プレイヤーの一瞬の隙をついて、致命的なイベントを起こしてくれる、油断のならないRLっぷりはお見事です。
PLの先生方も翻弄されるばかりでなく、GMの仕掛ける罠を巧い具合に切り返してくれます。神業の演出などもそれぞれのキャラっぽさを出していて、流石は、と唸らせられました。
しかし『撲殺天使どくろちゃん』のおかゆ氏as桜君はずるい! 何をやってもオモシロイんだもんよ。どんなホラーな目に遭わされても「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜」で解決ですよ!?