アリアンロッドURA 第六話 妖魔包囲網を破れ

今回予告

 助けた馬車に隠されていた恐るべき秘密を奪わんと、
 ゴブリガン帝国*1の尖兵が襲いかかる。
 冒険者達の選ぶ道は急ぐか、回るか、あるいは。
 アリアンロッドURA 第六話「妖魔包囲網を破れ」
 回るターレットから、冒険者達に、冷たい視線が突き刺さる。


というわけで、アリアンロッドのGMを担当しました。本日のPCは5〜7レベルの5人です。

  • 戦/拳(“暗殺”改め“黒技法*2”)
  • 盗/踊(ロリ踊娘氏)
  • 僧/侍
  • 僧/魔(“しぃしーアコ”)
  • 魔/賢


◆オープニングフェイズ◆
滞在している村の付近で馬車が魔族に襲われているという通報を受け、司祭から救援を要請されるところからスタート。ギルド『最後の十字架』の面々は早速現場に駆けつけると、首尾良くハゲンティ×1とストームランナー×2を撃退しました。(ハゲンティは飛行していたため、ストームランナーが戦闘不能になった時点でドロップ品と捨て台詞をPCに投げつけ、退却しましたが。*3
助けた馬車は荷台に大きな物体を載せており、幌がかけられていました。

GM:荷物が何か見るには、幌をめくらなければならないが……
ロリ踊娘:だったら無理に見る必要は
それ以外:めくって見てみる。
GM:(即答かよ!Σ( ̄□ ̄;))


普段は保身に走りまくるくせにこんな時だけステキに無用心なPL達の反応に一瞬呆気にとられてしまい、思わず用意していたギャグ*4をカマすのをすっかり忘れて、単純に「カニみたいな形の、金属だか粘土だか良くわからん素材で出来た大きな物体」と説明しました。
さすがにこれだけじゃなんなので司祭と馬車の御者だったネヴァーフから「伝説の古代兵器と関連が云々」と説明させてみましたがイマイチ危機感を持ってもらえず微妙に(´・ω・`)ショボーン。まぁ誰もが上級ルールブックのネームドエネミーの項に目を通しているとは限らないわけで。
気を取りなおして、怪我をした御者ネヴァーフに代わってこの荷物を隣の“水の街”クラン=ベルまで護送し、“遺跡の街”ラインから派遣された護衛隊に引き渡すよう司祭から使命を下し、冒険者達を旅立たせました。


◆ミドルフェイズ◆
●帝国航空部隊襲来
村から“水の街”クラン=ベルまでのルートとして街道と、森を抜ける迂回路を提示したところ、PLは街道を行くことを選択しました。森ルートや村から出ない選択をした場合の展開ももちろん用意しておりましたが、案外素直に街道ルートをとられて、微妙に拍子抜けです。まぁ森ルートのイベントは将来のシナリオに使いまわすとしますか。


さて、ドナドナと馬車を走らせるPCの頭上に、不意に影がさしました。先ほど撤退したハゲンティが増援をつれて襲来したのです。高速で追撃する必要があるというオレの脳内設定により、ハゲンティ、ザガン、スプライト×2と全て飛行ユニットによる構成。対するPCは遠距離攻撃可能なキャラが魔/賢ただ一人という危機的状況。
しかしPCは慌てず騒がず、魔/賢の《マジックブラスト》+《フライト》で空中に飛び上がると、ザガン及びスプライトにエンゲージし難なくこれを撃墜してしまいました。(一応、ザガンの《スマッシュ》+《ペネトレイトブロウ》で“黒技法”に大ダメージを与えたりもしてみたのですが……あとスプライトが攻撃を受けるたびに「いやっ、ひどいことしないで」「痛いよう、痛いよう」などと悲鳴を上げていやがらせをしてみたり……)
結局ここでもハゲンティは捨て台詞とドロップ品を残して撤退。PCはドロップ品*5をかき集め、再び馬車をドナドナと走らせるのでした。

●陥穽の計
小休止を挟んでシナリオは後半へ。
GMはおもむろに、PCに[危険感知]判定を行うよう宣言しました。運悪く失敗した“しぃしーアコ”を乗せたまま落とし穴に嵌まる馬車。驚き呆れるPCの頭上から振りかかる高笑い。

ハゲンティ:「フハハハハ、バカめまんまと罠にかかりおったわ。帝国に逆らう愚か者共に、今こそ天誅を下してくれん!」
しぃしー:「痛たたた……なんてことすんのよこのハゲ!」
GM:「ハゲって言うな! イラストにもちゃんと毛が描かれとるわ!」 つーかそろそろこいつも二つ名名乗っておくか*6「人呼んで“黒毛の猛牛”、この名を恐れぬならばかかってこい!」
黒技法:「黒毛和牛? それはおいしそう」
黒毛猛牛:「和牛じゃねー、猛牛だっつってんだろ!」
魔/賢:「もういいから。鬱陶しい。ブタに《エキスパート:風》+《エアリアルスラッシュ》」
黒毛猛牛:「ブタじゃねーよ、牛だよ! 帝国にその人ありと言われた“黒毛の猛牛”をブタ呼ばわりとは何たる侮辱、もうお前ら死ね! 死んじゃえよ!*7


帝国の戦力はハゲンティ、精鋭フォモール*8×2、フォモールコンバットメイジ*9×1、イルネス×1。《トルネードブラスト》を持つ僧/侍をイルネスで足止めしつつ、モブ軍団で他のPCを攻撃する戦術です。
フォーメーションは狙いどおり機能したのですが、精鋭フォモールに《ストライクバック》を使わせるのを忘れたり、肝心のイルネスが打たれ弱く*10早い段階で撃破されてしまっり、命中判定のダイス目が悪かった黒技法に「フェイト使って振りなおしたら?」などと要らぬアドバイスをし、その結果精鋭フォモールを落とされてしまったり等の要因により、ここでの戦闘は大した損害も与えられず終了してしまいました。ここまで引っ張りに引っ張った“黒毛の猛牛”も、今回ばかりは逃げる間もなく魔/賢の《エアリアルスラッシュ》に撃墜されてしまいましたとさ。エイメン。


◆クライマックスフェイズ◆
さて馬車はいよいよ“水の街”クラン=ベルに近づきます。ところが……

GM:西の空が赤い。
僧/侍:夕方だから?
GM:それもある。が、それだけじゃない。
ロリ踊娘:と、言うと?
GM:街が……燃えていた……


クラン=ベルはゴブリガン帝国の襲撃を受けていました。どうやらPCが地上部隊
PCが、今回エキストラとして馬車の御者を勤めさせていた翼の騎士を偵察に出したところ、地上からの対空砲火によりあわや撃墜の危機。ほうほうの体で逃げ帰ってきた翼の騎士の後を追うように、“閃輝剛剣”を名乗るグレンデルⅡ(ツヴァイ)*11、ニクネヴァン×1、トロウル・ロイヤル×1、ギルマンナイト×1、ギルマンアーティラリー*12×1が現れ、PCを襲います。

GM:じゃあ戦闘開始。君達と敵の距離は20mね。(20m近づいてくる間に『ファントムレイ』の特殊能力を発動、MPポーションを使って、さらにニクネヴァンの《ホーリーウェポン》をかけておこう。これで《スマッシュ》を使えばダメージが7D+42! うひょー、こいつは笑いがとまらんぜ!)
しぃしー:協議の結果、ここでギルドスキル[陣形]を使用するわ。
GM:あ、そう。(開戦時になるべく距離をとっておこうって作戦か?)って、なんで君達バックダッシュしてるンディスカー!?
魔/賢:前みたいに集まってる所にエンゲージされたくないし。こんなの常識。
僧/侍:だいたい、初期配置がGMに都合が良すぎる。
GM:ぐ、ぐむー。(こっちも支援魔法かける時間稼げるし、ギルマンアーティラリーのバリスタは届くから、まぁいいか……)


とまぁ納得はしたのですがこれが大誤算。この後グレンデルⅡと盗/踊が一騎討ちになったのですが、《インヴォーク》で回避判定のダイスが4Dになった盗/踊にグレンデルⅡの攻撃がかすりもしない。さらに別エンゲージでとんでもない事態が。

黒技法:《バイタルフォース》+《ペネトレイトブロウ》をギルマンナイトに……あ、クリティカル。
GM:げ。回避は普通に失敗、ダメージくれ。まぁ防護値無効でも《バイタルフォース》とクリティカルで増えるくらいのダメージなら《プロテクション》でなんとでもならーな。HPもそこそこあるし。せめて《ボルテクスアタック》くらい使わな。(`ー´)フフリ
黒技法:じゃあ《ボルテクスアタック》使っておくか。アドバイスありがとう、GM。
GM:なっ!(しまった、また考えていたことが口から出てしまった!) む、無理して使う必要ないんじゃないかな、ほら、グレンデルⅡもまだ残ってるし。
黒技法:いや、使う。ここで一体落としておけばだいぶ楽になるし。ダイスをレベル分追加して……(ごそごそダイスを用意)
GM:おいおいおいおいいくつダイス振ってんだよこのバトル妖怪が!
黒技法:『妖魔夜行』でもここまでダメージダイス振るキャラは作ったことありませんがね、と……(計算して)装甲無視のダメージが53点。
GM:53点装甲無視、53点装甲無視……(エネミーデータを確認)って、一撃で死んでるじゃねーかよぉぉぉッ!!


これで戦力バランスが崩れ、トロウル・ロイヤルも容易に撃破。ニクネヴァンの支援魔法で数ターン持たせたものの、結局グレンデルⅡの攻撃は1度も命中することなく倒されてしまったのでした……


◆エンディングフェイズ◆
戦闘が終了したころ、“遺跡の街”ラインからの援軍が到着し、帝国軍は押し返され、撤退していきました。PCは馬車を引き渡し、“水の街”クラン=ベルの代表者である神官長代理の女性*13からお礼の言葉を受け、ギルド『最後の十字架』は意気揚揚と村へ凱旋したのでした。


◆ポストアクト◆
ラストバトル、個々の戦力は互角かそれ以上のはずだったのですが、結果は完敗でした。戦術的に負けたって感じで、非常に悔しいであります。エネミーの編成と戦術について、まだまだ検討の必要があるようです。
ところでPLから質問があったのですが、このゲームではHPが0になっても戦闘不能になるだけで、トドメをさされなければキャラクターが死亡することはありません。もしも戦闘不能の仲間を見捨てて逃げた場合どうなるのかと言いますと、とりあえず生死不明ということで処理するつもりです。で、次のシナリオで謎の帝国軍士官が現れるかも。仮面とか被って。わかってんだよ、お前フラガなんだろ、て感じの。

*1:オレ設定。ゴブリン王ルアダンを頂点とし、多数の妖魔・魔族からなる一大帝国。

*2:ブラックアーツ

*3:ハゲンティをこの後グダグダ引っ張ることになろうとは、この時点では予想だにしていなかった。

*4:表面に猫科の猛獣と帳面の絵が描かれている。

*5:血液やその他いろいろな液・汁まみれになったまだ生温かいスプライトたんの服とか。

*6:ここまで引っ張るとは思っていなかったので、もちろん考えてない。

*7:この辺わりと素。

*8:6レベルモブの精鋭兵に《スピリットオブサムライ》と《ストライクバック》を追加したオリジナルエネミー。

*9:6レベルモブの魔術師の種族を妖魔に変更したオリジナルエネミー。

*10:まぁ3レベルじゃねぇ。

*11:9レベルエネミーのグレンデルに魔法の両手剣『ファントムレイ』を持たせたオリジナルエネミー。

*12:オリジナルの4レベルモブ。大型のバリスタを運用するギルマンの砲兵隊。

*13:リプレイキャラのウェルチのつもりだったんですが……PLは特に気にしていなかったみたいだ。