アリアンロッドURA 第5話 「死王の尖塔」

今回予告
 「この村の地下には、莫大な財宝が眠っているんだ」
 そう告げて姿を消した探索者と入れ替わりに、不死の怪物が姿を現した。
 愚かな野望を生贄に、封じられた太古の呪いが甦る。
 嵐の空に威容を映す黒き塔に待つものは死者の王。
 アリアンロッドURA 第五話「死王の尖塔」
 挑む者には死あるのみ。


 というわけで、アリアンロッドのGMを担当しました。本日のPCは以下の5人、いずれも4〜6レベルです。(略号の意味は察してください)

  • 戦/拳
  • 盗/踊
  • 盗/錬
  • 僧/僧
  • 魔/賢

 私がGMを担当するとどうもエネミーの選択が甘いらしく、僧/僧などは毎回フェイトがフルに余っていたり、「せっかく取得した《レイズ》を使う機会が無い」とこぼしたりしてました。毎度こうですとPLの方々にスリルを味わってもらえない、もっとピンチを! ということで今回はかなりきつめに設定しました。


●地下墳墓
 PC達は「村の地下の遺跡に宝捜しに行く」と言って行方不明になったNPCの捜索を依頼され、村外れの墓地から地下墳墓に潜ります。なお件のNPCが消えてしばらくしてから、村の付近でゾンビやスケルトンと遭遇することが多くなったという状況です。
 地下墳墓の最奥では行方不明になっていたNPCが、デュラハン、ニクネヴァン、スカルファランクス(オリジナルエネミー)に取り囲まれて大ピンチ! どうやらNPCがドジって、古代に封じ込められたアンデッドを解放してしまったようです。ひとしきりNPCに罵声を浴びせた後、PC達はエネミーの排除に乗り出しました。


盗/錬:デュラハンにエンゲージして攻撃!
骸骨方陣:おっと、ここで伏せカードオープン! 《カバーリング》でデュラハンへの攻撃を受けるぜ。さらに特殊能力の《アイアンクラッド》を発動、ダメージを減点だ!
魔族:ここで俺のターン! HPの減ったスカルファランクスに《ヒール》!
PC:きたねぇッ!
GM:いや、いつも君ら、同じことしてるやん……


●尖塔出現
 《カバーリング》と《アイアンクラッド》を持つスカルファランクスに微妙にてこずりつつも首尾良くエネミーを退治したPCが村に帰還すると、村のそばに真っ黒な塔が建ち、地面からわらわらとアンデッドが湧いて村人を襲っていました。PCは神殿の司祭から依頼を受け、塔へ突入しました。


●死王の尖塔 1階
 1階には[スパイクボード]と、ドラゴンパピーゾンビ(ドラゴンパピーの種族をアンデッドに、ブレスをウィルブレスに変更)が待ち構えていました。
 ウィルブレスでPC達を毒で苦しめる予定でしたが、悪運の強い彼らは今回のプリプレイで[耐性:毒]のギルドスキルを取得しており、GMの悪巧みは不発に終わってしまいました。チッ。


●死王の尖塔 2階
 2階にはバーゲスト、マンティコア、そしてレライエが登場。レライエはさすが基本ルール最強のエネミーだけあって、これといった戦術を使わなくても《アローシャワー》や《ホークアイ》、高い攻撃力と防御力でPC達を苦しめてくれました。心残りだったのは《ブービートラップ》で[落とし穴]を発動してPCの一部を1階に落とし、落下+[スパイクボード]のダメージ&パーティ分断を狙っていたのですが、敏捷度判定に成功されてしまい不発に終わったことですね。この連携トラップはまた別の機会にでも使うことにします。


●死王の尖塔 3階
 3階ではシナリオボスたる“尖塔の死王”(アンデッドナイト、11レベルモブの騎士の性能をいじったオリジナルエネミー)が、お供のバンパイアアコライトとデビルマージ(7レベルモブの魔術師をアンデッドに変更しただけ)およびスカルファランクスを従えて待ち構えていました。
 今回の戦闘では、PC達が《マジックブラスト》+《インヴォーク》のためにエンゲージを組んだところにアンデッドナイトを突っ込ませ《スマッシュ》+《ブランディッシュ》+バンパイアアコライトの《ホーリーウェポン》、デビルマージの《マジックブラスト》+《アースブレット》を連発したところ、戦/拳と魔/賢が戦闘不能になる大ピンチ!


僧/僧:ゲゲーッ! こいつはマジやばいわ。クソッ、こうなったら本土決戦よ。“尖塔の死王”を巻きこんで《テレポート》! 村の神殿に移動して、後衛と分断してやる!
尖塔の死王:後衛と切り離したくらいで我に勝てるつもりか? フハハハハ、良かろう! 常命の者の姑息な策に敢えて乗ってやり、その上で徹底的に叩き潰してくれるわ!


 GMとしても微妙にヤリスギチャッタ感がありましたんで、わりとあっさりPLの案にのることにしました。GMの失敗をフォローしてくれたPLの皆さんに感謝です。


盗/踊:ここは私に任せて、みんな死体(死んでません)を引き摺ってエンゲージから離脱して。《バタフライダンス》と《インヴォーク》の効果で今なら回避は4D振れるし、《ダンシングヒーロー》もあるから、これで時間を稼ぐ。その間に《レイズ》を!
僧/僧:よし、魔/賢に《レイズ》……ッて、ファンブル!?
魔/賢:……
僧/僧:い、いや、こういうときのためにフェイトが1点残ってるから! 振りなおし……またファンブル!?
盗/踊:ちょっと、真面目にやってよ! こっちは当てられたらイチコロなんだから!
僧/僧:ま、まあ、確率的にはもうファンブルなんて出ない……あ、ファンブル……
魔/賢:……
GM:とりあえず僧/僧は魔/賢が大嫌い、と。
僧/僧:ち、ちがッ、そんなつもりじゃッ!?


 さすがに4連続ファンブルってことはありませんでしたが、内心私もドキドキでした。この後、打たれ弱い盗/錬が戦闘不能になったものの、どうにかアンデッドナイトを撃破することができました。
 ボスを失ったため塔は朽ち果てて大地に沈み、アンデッド共も隣街から駆けつけた騎士団と冒険者達に掃討され、村には平和が戻りましたとさ。めでたしめでたし。


 いやぁ、今回はかなりやりすぎっぽかったです。いくらピンチを演出すると言っても、勝てないほど強い敵を出すのは良くないですね。モチベーションを失わずに頑張ってくれたPLの皆さんには本当に感謝です。次回からはもっと強力なエネミーを……ニヤリ。
 ところで僧/僧のPCはゲーム後、メイジにクラスチェンジし、《コンセントレーション》を取得したということです……