猫かわいいよ猫

第3巻が出ると聞き、良い機会なのでちょいと前から気になっていたコミック版『皇国の守護者』を読んでみましたのですよ。


皇国の守護者 1 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 1 (ヤングジャンプコミックス)

東洋竜や剣牙虎とかが実在するファンタジー近代世界を舞台に、テックレベルが明治〜大正くらいのファンタジー日本っぽい〈皇国〉に、ある日宣戦布告もなくファンタジーロシアっぽい超大国〈帝国〉が攻め込んできた。〈皇国〉軍は北領*1天狼原野にてこれを迎え撃つも、〈帝国〉の大軍団の巧みな用兵に壊滅、主人公・新城直衛中尉の所属する第十一大隊は本隊を逃がすための足止め部隊として〈帝国〉軍を相手の絶望的な撤退戦に投入されるのであった……てのが大筋。
なんというか、不条理なまでに酷いことばかりおこる作品ですわ。主人公の新城中尉はかなりの切れ者なんですが、その切れ者がなりふり構わず必死こいて考案した策をもってしても状況は悪化の一途をたどる一方。爽快感もクソもない。が、不思議と作品そのものへの嫌悪感は少ない。腹の底で熱いドロドロしたものと固く冷たいものがかき回されるような、血と鉄と火薬と獣臭にまみれた怪作ですわ。
今のところ〈皇国〉軍の絶望的な状況は相変わらずですが、新城の嫌がらせじみた策がじわじわと功を奏してきたか、〈帝国〉軍にも少なくない被害が積み重なっているようで、状況のさらなる泥沼化が予想されます。そういや小説が原作らしいですが、コミック版の展開を楽しむためノータッチの方向で。


皇国の守護者 2 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 2 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 3 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 3 (ヤングジャンプコミックス)

*1:ファンタジー北海道